弊社は昨年の9月より、JICAから事業委託を受け、ベトナムで基礎調査を実施してきました。
この調査はホーチミン市の「サイゴン川トンネル」を対象にしています。

<2022年10月 事前調査>
バイクの交通量計測に関する事前調査を行いました。ベトナムはバイク利用者が多いため、トンネル内の換気が重要ですが、十分とは言えない現状が新聞などの報道により明らかになっていました。

センサの設置位置を確認しているところ
トンネル坑口付近

実際に私たちが訪れた際も、1車線に複数のバイクが並行して走っているという状況でした。
トンネル内のCO濃度の悪化は利用者の健康に大きく影響します。
弊社の換気制御システムをこの問題の解決に役立てたいと強く思った瞬間でした。

<2022年12月 交通量計測の実施>
日本から計測機器を持ち込み、交通量の計測を行いました。通関のために必要な書類の準備が大変でしたが、幸いにも大きなトラブルはなく、目標を達成することができました

市街地の様子
交通量計測中

<2023年5月 調査報告>
ホーチミン人民委員会などの関係各所を訪問し、交通量計測のデータ解析結果を報告しました。これには電力代の削減やCO濃度の削減、火災時の制御効果についての説明も含まれます。

訪問したホーチミン人民委員会庁舎

また、当地の交通運輸省科学技術研究所(ITST)との間で、サイゴン川トンネルの改善策実施や、ベトナムでの換気基準制定に向けた協力体制を明確にするための覚書(MOU)を締結しました。

MOU調印式

さらに、現地の道路局などが共催で開催するベトナム科学技術セミナーで、日本企業として発表の依頼を受け、今回の調査の成果を発表しました。

ベトナム側からは、トンネル内環境基準の調査・提案、および環境維持のソリューションについて。弊社からは、開発部の松本と副社長の坂口がそれぞれ、省エネ化する換気制御システムついて、火災時換気制御システムについて発表しました。

セミナーの様子

<今後の展開>
ありがたいことに、一連の活動を通して、私たちの(機器の導入だけではない)アフターフォローや改善に対する取り組みの姿勢を評価していただきました。

今後は具体的な改善策の提案、および他のトンネルにおける実態調査と更新計画の立案に取り組む予定です。現地の交通運輸省からの依頼にも応える形で、これらの活動を進めてまいります。

5月の出張メンバー
ハノイ工科大学 共同研究室にて
適当に頼んだら予想外のものがきて
驚く社長の図
大学近くのカフェにて